ゼミは、例年、木曜日の4・5限に、三田キャンパス内の教室で開催しています。
詳細は、塾生HP掲載の時間割を参照してください。
商法・会社法を研究対象としています。
たとえば、①取締役の各別の報酬額決定を代表取締役に一任できるか、②特定の株主と対立した取締役がこれに対抗するような新株発行ができるか、というような問題は、それぞれ、①取締役の報酬は定款または株主総会決議で定めるべきことを規定する会社法361条、②新株発行は取締役会の判断で実施できるとする同201条の解釈の問題になります。
技術的で細かい問題のようですが、現実の社会では、実績あるワンマン社長の意向に他の取締役が逆らえないとか、経営方針をめぐって大株主と取締役が対立するとかといったかたちで問題となります。条文を解釈する際には、その条文がどのような理由でそうした規定となっているのか(立法趣旨)に遡って考えることになります。
個々の条文の解釈は、他の条文解釈との整合性、制度における位置づけを度外視しては考えられません(体系的解釈)。株式会社に関する諸規定を解釈するには、経済社会における位置づけを含めた株式会社制度の体系的理解なしにはできません。商法・会社法の解釈問題を検討することは、巨視的には、資本主義経済の土台を考察することでもあります。
商法・会社法の問題を検討するにあたっては、一般法である民法の理解が求められることはもちろんですが、経済、金融、経営、会計といった諸分野への理解と目配りも必要となります。民法をしっかりと勉強してきた諸君には、私法の基本原則が、現実の企業をめぐる生活関係の中に応用、展開されていることを面白く感じるでしょう。経済や経営について興味のある諸君には、企業をめぐる諸制度がどのような法的基礎に基づいて組み立てられているかを知り、面白く思うでしょう。
ゼミでは、商法・会社法分野のさまざまな論点・判例を取り上げて、担当者に報告してもらい、これに基づいて全員参加で議論し、一緒に考えていきます。
春学期は会社法の基本事項を扱い、秋学期は判例研究を行います。
事前に各自が担当する課題を決め、5,000字程度のレポートを作成します。
研究会では、作成したレポートを発表し、それに基づいて全員で議論します。
卒業論文の作成をします(4万字以上)。 中間報告を求められます。
なお、法科大学院進学希望者や公認会計士試験受験者については、合格及び先生との相談の上で、卒業論文が免除される場合があります。